量的引き締めとは？カナダ銀行が終了する理由と今後の影響を解説

量的引き締め（QT）とは、中央銀行が保有資産を減らす金融政策です。これにより、市場のお金の量を抑制します。今回、カナダ銀行がこの量的引き締めを終了すると発表しました。つまり、パンデミック後の金融正常化へ移行するということです。

本記事では、量的引き締めの基本から、カナダ銀行の決定背景、そして今後の見通しまでを分かりやすく解説します。

量的引き締め（QT）の基本

量的引き締めとは、中央銀行がバランスシートを縮小させる政策です。具体的には、保有する国債などの資産を市場で売却、または償還させます。その結果、市中に出回る資金量が減少します。これは、経済の過熱やインフレを抑制する効果が期待される手法です。

この政策は、量的緩和（QE）の正反対の動きです。一方で、量的緩和は資産を購入してお金を供給します。カナダ銀行は2022年4月に量的引き締めを開始しました。これは、パンデミック後の経済を正常化させるのが目的でした。

今回、カナダ銀行が量的引き締めを終了する理由は明確です。それは、バランスシートが目標水準に近づいているためです。副総裁の講演によると、準備資産は大幅に減少しました。このように、計画は順調に進んでいます。

さらに、新たな目標範囲は500億ドルから700億ドルに設定されました。この水準には、今年の第3四半期に達する見込みです。したがって、量的引き締めの終了が目前に迫っているのです。

量的引き締めの終了は、「通常業務」への復帰を意味します。しかし、これはパンデミック中に行った景気刺激策の再開ではありません。主な目的は、流通する現金の自然増を相殺することです。そのため、市場への大きな影響はないと見られています。

資産構成も通常の状態に戻ります。ポートフォリオは連邦政府債が中心でした。しかし、今後はカナダ政府短期証券なども再び保有する予定です。この計画の詳細は事前に告知されると約束されています。

資産の再構築は慎重に進められます。まず、期間レポ契約から開始する計画です。その後、徐々に短期国債の購入が始まります。このように段階的なアプローチで、市場の安定を保ちます。このプロセスは、過去の量的引き締めからの移行とは異なる慎重なものです。

カナダ銀行のこの決定は、経済の安定化に向けた重要な一歩です。量的引き締めからの移行を世界で最初期に完了する国の一つとなります。今後の動向にも注目が集まります。

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