FXは利益を生む投資か?調査から明らかになる真実
2017年のデータによると、FXで利益を上げた人々の割合は全体の60.3%に上ります。この数字は金融先物取引業協会(以下、金先協会)による詳細な調査結果から得られたものです。金先協会は、FX会社などが加盟する自主規制団体で、金融庁とも連携しています。
金先協会は、「外国為替証拠金取引の取引顧客に関する金融リテラシーに関する実態調査」と題した調査を実施し、その結果は56ページにわたる詳細な報告書として公開されました。この報告書は、FX投資家の特性や成功の秘訣について貴重な洞察を提供しています。
主なFX投資家の人口統計
調査によると、FX投資家は主に30代と40代の男性が中心です。性別や年代による投資行動の違いは、金先協会が以前に行った調査からも明らかで、特に男性がFX取引を行う割合が高いことが示されています。さらに、投資経験のある人々の割合は、世帯年収が増えるにつれて高まる傾向にあります。
FX取引経験が豊富なベテランが多い実情
FX市場では、取引経験が5年以上のベテランが多数を占めています。実際に、調査参加者の44.9%が5年以上のFX取引経験を有しており、これは長期にわたり市場に参加し続ける人々の存在を示しています。一方で、20代の男性投資家の中には、1年未満の経験者も多いことが分かっています。
年間利益20万円未満のトレーダーが主流
FX市場における年間利益に関するデータは特に興味深いものです。60.3%の投資家がプラスの収益を報告していますが、年間20万円未満の利益を得ているトレーダーが35.6%と最も多く、これはFX市場のハイリスク・ハイリターンのイメージとは異なるかもしれません。
所得が低い投資家の苦悩と現実
低所得者の中にはFX投資で大きな利益を期待しても、なかなか成功しないという厳しい現実があります。例えば、世帯年収200万円未満の投資家の利益割合は34.4%に過ぎません。これに対し、年収が700万円以上の投資家は、67.9%以上が利益を出しており、所得レベルが投資成功の一因であることが示唆されています。
投資結果に影響する年齢と性別の要因
金先協会の調査では、年齢や性別がFXでの損益にどのような影響を与えるかも明らかにされています。特に高所得者は投資スキルも高く、低所得者は下手という傾向があります。さらに、年齢を重ねるにつれて男性は投資スキルが低下するのに対し、女性は逆に上達することが示されています。