米国の原油在庫が増加する一方で、OPEC+は2024年第2四半期までの生産削減延長を検討している中、原油価格は水曜日（2月28日）に混乱した動きを見せました。
2月28日の取引終了時点で、WTI原油先物契約は1バレル当たり0.42％に相当する33セント下落し、78.54ドルとなりました。一方、ブレント原油先物契約は1バレル当たり0.04％に相当する3セント上昇し、83.68ドルとなりました。
米国エネルギー情報庁（EIA）によると、米国の商業用原油在庫は先週に420万バレル増加しましたが、アメリカ石油協会（API）の840万バレル増加の予測よりは低かったと発表されました。
米国の原油在庫は、最近の数週間で精製所が原油を精製品に加工する速度が低下したため増加しています。
WTI原油とブレント原油は今月初めから現在までに6.3％上昇しています。スポット原油先物契約は先物契約と比較して価格が上昇して取引されています。スポット価格が先物価格を上回ることは、原油市場が緊縮していることの兆候とされます。
多くの情報筋によれば、OPEC+は自主的な生産削減を2024年第2四半期まで延長することを検討しています。グループとその同盟国は2023年11月に、2024年第1四半期に1日当たり220万バレルの減産をすることに合意しました。
ゴールドマン・サックスによると、OPECの減産は原油価格の下落リスクを抑制すると期待されていますが、グループが制限している余剰能力は上昇リスクを制限し、ブレント原油価格を70～90ドル／バレルに保つことになります。
また、今月の原油価格は中東の緊張が高まっているイスラエル・レバノン国境や、紅海でのフーシ派の商船への攻撃などからも支援を受けました。
しかし、ゴールドマン・サックスは、原油生産が現在の紛争によって影響を受けていないため、原油価格の地政学的リスクプレミアムはかなり控えめだと考えています。
